ドアウェッジというパーツは、ロードスターなどの、オープンカーにならない人にとっては、興味も馴染みもないと思います。
私も、NDロードスターに乗るようになり、はじめて付けてみよと思ったパーツなのですが、
「正直、効果があるのだろうか?」
と、半信半疑で購入して、取り付けてみました。
まずは、ドアウェッジの役割について、整理してみようと思います。
ドアウェッジの役割
ドアウエッジの役割としては、メインの機能は、
側突事故の際にドア侵入を抑えて乗員を保護する
ためのパーツだそうです。
また、ドアウェッジをカスタマイズすることで、
ドアとシャーシの一体感が増し、ボディ剛性を高め、走りの質を高める
という効果も期待できます。
なぜなら、純正のドアウェッジは、プレスで製作されているドア側のスチールのパーツ(リフト・ゲート・ダブテール)の、精度のばらつきや、数十万台生産する全ての車両で、ドアの開閉に問題が出ないようにするために、サイズ的に余裕をもたせていると考えられるからです。
そのため、接合部は、かなりスカスカな状態になっている可能性が高いようです。
その隙間を適切に埋めてあげることで、ボディ剛性が増し、シャキッとした車に生まれ変わると考えれれます。(やりすぎると、ドアが閉まらなくなります)
オープンカーであるロードスターは、屋根が開く構造なので、構造上、ボディ剛性は低くなってしまいます。
そのため、ドアウェッジを工夫するだけでも、効果を感じられる場合があるようです。
ほんとうに効果はあるのか⁉
しかしです。
左右2個セットで、たかだか4,000円程度のパーツに、果たして、そこまでの効果があるのでしょうか?
答えは…
自動車の製造過程において、ドアの取付部分が、一番個体差が出やすいようで、ドアウェッジを交換しても、残念ながら、効果が出る車両とそうでない車両とがあるということです。
それでは、私の場合は、どうだったのかというと…
ドアウェッジを交換した感想
個体差があるので、効果が出る車両とそうでない車両とがあるという、ドアウェッジの交換ですが、私のNDロードスターでは…
十分に効果がありました!
具体的には…
ますは、ドアを締めたときの音が変わりました。
「ドスン」という、高級車のような重厚な音になりました。(半ドアが頻発する場合は、位置があっていないので、位置決めのやり直しです。)
そして、いまでは、慣れてしまって、よくわからないのですが、交換した直後は、ハンドリングが、かなりクイックになったのを感じました。
クイックなハンドリングがおもしろくて、F1のフォーメーションラップのように、意味もなく無駄に、左右にステアリングを切って遊んでいました(笑)
ドアが半ドアになって、よく閉まらない場合や、効果があまり感じられない場合は、位置決めのやり直しをすると、改善されるかもしれません。
また、効果を感じた場合も、少し走ったら、増し締めをしたほうがいいと思います。
位置決めは、ほんとうであれば、シリコンスプレーなどを使用すれば、ドアウェッジとドア側のスチールパーツ(リフト・ゲート・ダブテール)との接地具合を、より調整できるのですが、今回は、そこまでやしませんでした。
ドアウェッジの取付けと注意点については、後に回しますが、ざっくりいうと、
仮止め→ドアの開閉テスト→本締め→増し締め
という工程になります。
OPENCAFE GARAGE
私が交換したドアウェッジは、OPENCAFE GARAGE が販売しているドアウェッジです。
左が純正・右がOPENCAFE GARAGE製
ドアウェッジは、驚くことに、NAロードスターからNDロードスターまで、同じ型番で30年にわたって使われ続けているそうです。
OPENCAFE GARAGEで販売しているドアウェッジは、純正の形状をそのまま活かし、素材POM(ポリアセタール)で製作したものとなっています。
「Sr.1」から改良を重ね、現在は「Sr.3」が発売されています。
OPENCAFE GARAGE製のドアウェッジは、いわゆる強化ドアウェッジとして開発している製品とは設計思考が少し違うようです。
OPENCAFE GARAGEのウェブサイトより、その開発のコンセプトを引用してみます。
OPENCAFE GARAGEのドアウェッジは、実用性を損ねることなく、接合部の隙間を出来るだけなくし、素材をゴムからPOM樹脂に変更することにより、設計時に想定されていたと思われる本来の機能を復活させ、 ロードスターの「感覚」をより設計思考に近づけられる様にとの思いで、Sr.1より開発しています。
引用元:https://garage.opencafe.space/2020/09/08-doorwedge/
OPENCAFE GARAGEのドアウェッジは、強化ドアウェッジとして販売されている他社製品より、高さ幅ともにサイズは小さくなっているようです。
より、ボディ剛性を高めたい人は、別の強化ドアウェッジに交換するほうがよさそうです。
ドアウェッジの取付け工具
ドアウェッジの交換は、だれでも簡単にできます。
使用する工具は、10mmのソケットとレンチだけです。
まずは、ノーマルのドアウェッジを取り外し、外したボルトをそのまま使って、交換するドアウェッジを取り付けます。
プラスドライバーも使えそうですが、10mmのソケットとレンチを使いましょいう。
もしも工具を持っていない人は、セットで持っておくと、ときどき活躍してくれます。
ハーレーとかをイジるには、インチの工具が必要になりますが、国産車であれば、ミリで揃えればOKです。
あまり安すぎる工具は、精度に難があるので危険ですが、かといって、ブランド物の工具はけっこう高いので、そこそこの工具を選ぶのが現実的です。
車やバイクをいじるのであれば、差込角は9.5mmを選んでおけば大丈夫です。
SK11
私はよく、SK11の工具を使っています。
ソケットの長さは、標準・セミディープ・ディープなどがありますが、標準かセミディープあたりが、汎用性が高いと思います。
個人的には、案外、セミディープが使いやすかったりします…
ソケットを使用するためには、レンチ(ラチェットハンドル)が必要ですが、ソケットとレンチの差込角は同じものを買いましょう。(差込角が違う場合は、アダプターが必要になります。)
あまり大きなトルクを必要としない、ちょっとした作業では、ショートタイプが便利で、私もよく使用しています。
ドアウェッジの取付けと注意
ドアウェッジの取付けと注意点についてですが、詳細は、OPENCAFE GARAGEのウェブサイトより引用します。
1.純正部品を10mmの薄型ソケットを使い取り外します。
(プラスドライバーは使わないでください)2.本製品を取り付け、手で軽く締めます。取り付けたドアウェッジが少し動く程度に締めるのがポイントです。
(元々ついていたボルトを使用してください)3.ドアを2〜3回開け閉めし、本製品の位置を仮決めします。
4.ボルトを1/4回転ほど締め付けて、軽く固定します。
5,再度ドアを2〜3回開け閉めし、本製品の位置を本決めします。
6.ボルトを2/4〜3/4回転ほど締め付けて取り付け完了です。ドアの開閉に問題がある場合は2番に戻り再度調整をしてください。
※ごくまれにですがドアの開閉が渋くなる個体があります。その場合はヤスリ等でドアウェッジ を削って調整してください。7.しばらく走行した後に、軽く増し締めしてください。
引用元:https://garage.opencafe.space/2020/09/01-doorwedge/#outline__1_1
おわりに
自動車の製造過程において、ドアの取付部分が、一番個体差が出やすいようです。
そのため、ドアウェッジを交換しても、効果が出る車両とそうでない車両とがあるということですが、数千円という価格ですので、ダメ元で交換してみて、効果が出ればラッキーではないでしょうか。
確実にボディ剛性を高めるためには、タワーバーやロールバーの取り付け、サスペンションやブッシュ類の交換など、できることはたくさんありますが、それなりにお金がかかります。
ロードスターは、そもそも屋根が空く時点で、ボディ剛性を犠牲にしています。
もしも、本気でガチガチに固めたい人は、ロードスターではなくて、屋根の開かない車に乗ったほうがよさそうです。
たかだか数千円のパーツで、少しでもロードスターの運転が気持ちよくなれば儲けものです。
過度な期待はしないほうがいいですが、OPENCAFE GARAGE製のドアウェッジを、よかったら試してみてください。
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