今回の記事では、ロードスター(マツダ車)のアクティブセーフティ技術 (事故を未然に防止する技術)のひとつである、DSC/TCS(ダイナミックスタビリティコントロールシステム/トラクションコントロールシステム)と、それらをOFFにする方法について書いています。
じつをいうと、私は、納車から約1年間もの期間、DSC/TCS(トラコン)の存在に気がつきませんでした。
なので、どんな場面でも、ずっとONのまま走っていました。
車でもバイクでも、納車時に詳しい納車説明をしてくれる担当者に当たった試しがなく、いつも何かしらの装備や機能のことを、知らないまま乗っていたりします。
最近の車は、安全性を重視しているため、デフォルトで安全装置が、すべてONになっている場合が多いですね。
ABSに至っては、少し前から義務化されていて、OFFにするスイッチはなく、何らかの方法でキャンセルすると、公道においては違法行為になるのだとか…
しかし、いまのところ、DSC/TCS(トラコン)は、OFFにすることができます。
もっと早くに、DSC/TCS の存在に気がつけばよかったと思っています。
NBまではなかったはず
マツダのロードスターに、DSC/TCS(ダイナミックスタビリティコントロールシステム/トラクションコントロールシステム)なるものが装備されたのは、NCの頃からでしょうか?
むかし乗っていたNBに、トラコンがついていた記憶はなく、スタッドレスタイヤを履いていれば、横になりながら、雪道も楽しく走れたことを今でも覚えています。
その感覚で、NDロードスターにオールシーズンタイヤを履かせて、いざ、雪道を走ってみると、何かがおかしい…
坂道は上らないし、ステアリングを切り込んでアクセルを踏み込んでも、リアがスライドしないのです。
もちろん、ロードスターは非力な車ではあるのですが、さすがにμの低い雪道でなら、リアを滑らすことくらいはできるはずです。
なにせ、FR車なのだから。
しかし、そうはならないのです。
そう、DSC/TCSをOFFにしなければ…
DSC/TCS とは
DSC/TCS(ダイナミックスタビリティコントロールシステム/トラクションコントロールシステム)は、それぞれ単体でのON/OFF切り替えはできないみたいです。
DSCは、ABS や TCS と連動して、車両の安定性を確保する装置のことです。
これらは、普通に運転するときには、ありがたい装備なのですが、スポーツドライビングでは、邪魔になる場面もでてきます。
これらの安全装備は、ROARDSTERR 電子取扱説明書によると、以下のように説明されています。
ABS
ABS (アンチロックブレーキシステム) は、すべりやすい路面での制動時に起こる、車輪のロックを防いで、車の方向安定性を保ち、操縦性を確保する装置です。
TCS
TCS (トラクションコントロールシステム) は、水にぬれた路面や雪道などの、すべりやすい路面での発進や旋回加速時に起こる、駆動輪の空転を防ぎ、適切な駆動力と操縦性を確保する装置です。
DSC
DSC (ダイナミック·スタビリティ·コントロール) は、すべりやすい路面での走行時や、緊急回避など急激なハンドル操作による車両の横すべりをおさえるため、ABSやTCSなどにより、ブレーキやエンジンの出力を自動的に制御して、車両の安定性を確保する装置です。DSCは約20 km/h以上で作動可能な状態になります。
出典:ROARDSTERR 電子取扱説明書より
リアが滑らない原因
そういえば、夏にドライ路面でのコーナーリング中に、グリップの限界を超えそうな場面で、アクセルを踏み込んでみても、リアが滑り出した途端、ガクンとスライドが制御されてしまい、逆に怖い思いをしたことが何度かありました。
DSCは走行中に車両の横滑りを検知すると、自動的に車両を制御します。
TCSと4W-ABSを統合制御することにより、エンジン出力と4輪それぞれの制動力とを最適に制御し、クルマの横滑りを抑制します。これにより滑りやすい路面でのコーナリングや危険回避の急ハンドル操作時などにも、安定した走行姿勢を保ちます。
その後、冬になり、オールシーズンタイヤで雪道を走るようになったのですが、Youtubeにアップした動画で、雪道でエンジン出力がカットされている様子をみた視聴者さんからのコメントで、DSC/TCSがONになっていることに気が付き、謎が解けました。
DSC/TCS OFFで走行
DSC/TCS の存在を知ってから、雪道に行ってDSC/TCS をOFFにして走ってみました。
すると、いとも簡単にリアが滑るようになりました。
FR車らしく、リヤを滑らしながら、カウンターを当てて、走ることができるようになりました。
DSC/TCS がONになっていたことで、ときどき「変な動きをするな〜」と思いながら走っていましたが、トラコン(DSC/TCS)をOFFにするという、単純なことで問題は解決したわけです。
冬タイヤに履き替えたときも、
「やっぱりオールシーズンタイヤではなくて、スタッドレスタイヤのほうがよかったのかな⁉」
などと思ってしまいましたが、問題はタイヤではなく、トラコンが効いていたことでした。
対向車が来るような雪道では、滑ったときに対向車線にはみ出してしまうと危険なので、トラコン(DSC/TCS)はONのほうが安全ですが、OFFにできる場面では、OFFにするほうが楽しめます。
DSC/TCSをOFFにする方法
DSC/TCSをOFFにする方法は簡単です。
DSC/TCSをOFFにするときは、運転席の右側のエアコン吹出口の下あたりにあるOFFスイッチを押すと、メーター内のDSC OFF表示灯が点灯します。
これで、DSC/TCSはOFFになります。
一度エンジンを切って再度エンジンをかけるか、もう一度スイッチを押すことでと、DSC OFF表示灯が消灯し、DSC/TCSが作動可能な状態(ON)になります。
もしも反対に、ONで点灯して、OFFで消灯する仕様だったら、もっと早くに、DSC/TCSの存在に気がつけたと思うのですが…
おわりに
メーカーとしては、安全性を最優先に考えることは当然です。
しかし、ロードスターのような特殊な車においては、ときには、DSC/TCS のような電子制御は、ときとして邪魔になることもあります。
公道では、周りの車に迷惑がかからないように、基本的には、それらの電子制御(安全装備)は、ONでいいとは思います。
しかし、ロードスターのような、今や希少なFRスポーツをより楽しむためには、ときにはOFFにする必要がありそうです。
すくなくとも、OFFにできるということを知っておかないと、私のように、無駄に悩むことになってしまいます。
最後に、DSC/TCSをOFFにした場合、滑ったときにカウンターを当てるなど、適切な操作を行わないと、スピンしたりする可能性がありますので、DSC/TCSをOFFにする際は、十分に注意してください。
コメント